子供の頃の写真を見ると、出かけるときにはほとんど母の手つくりの服を着せられている。
水色と黄色編みニットのワンピースにはお揃いの帽子も被せられ、真っ赤なタイツに赤い靴。
今思うと、激しい色合わせ。
よく見ると、隣の兄が持っているパーマンと同じ色合わせのワンピースだった。
東京暮らしから山奥に嫁いだ母の、「田舎で生まれた子を田舎者にしたくない」という強い思いがあったそうで
おかげでいろんな服を着せてもらった。
生地を切ったり、毛糸を編んだり、縫ったり、料理も作り、籐を編んだりと、とにかく手を動かしていた母。
隣にいるのは、今もずっとお世話になっている親戚の K姉ちゃん。
それにしても、好きな靴の型は今もほとんど変わらない。
動物園で、柵を越えて動物の方に行きたいと思っていた思いだけは記憶に残っている。
古い写真に残っている母の作った服を着ている子供の頃をみると母の思いが伝わってくる。
母のおかげで私も洋服の仕事に関われたかもしれないことに感謝、感謝。
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先日写真家の友人から連絡があり、
お仕事でお世話になったしんどうさんが旅だったと聞いた。
とても活躍されていた才能のある方でありながら、私のようなものにも
笑顔で接してくださいましたこと心から感謝の気持ちでいっぱいです。
私もお仕事で声をかけていただけたこと、
特にしんどうさんがカメラマンの時に呼んでいただいたお仕事、
打ち合わせの時、しんどうさんは椅子に座り、腕組みをして、
マンションの13階 から窓の外を眺め、無言で考え込んでいた時間。
私は緊張をしながら、その背中を横目に、机にただただじっと座り、
深呼吸を繰り返し、しんどうさんが何かを話すまでの
無言のシーーーーーーーんとした長い時間がとても心に残っています。
しんどうさんの撮影はいつも緊張感でいっぱいになりましたが
振り返ると、スタイリスト人生の中で、
しんどうさんのお手伝いをさせていただけたことは、
貴重で幸せな経験となりました。
しんどうさんは書もセンスが際立っていて、
本当に素敵でした。
その後道でばたりとお会いしたり。
本当にありがとうございました!!
そして、今世人間卒業おめでとうございます。
お疲れまさでした。
天国にまっすぐ行ってくださいね!!と言いながら
自宅で心ばかりのお線香をあげさせていただいたとき、
ケタケタと笑っているように思えました。
最近旅立ちのお知らせが頻繁になった。
そういう年齢になってきたのだ。
少し前生前の父も、まただ、まただ、と頻繁に、日々知人の旅立ちの知らせを受け取っていたのを思い出す。
そして父も今世祝卒業していった。
なんだかんだ難しく考えすぎたり、
悩んだり苦しくなったり、迷ったり、これでいいのかと思ったり、
いろいろありますが、
俯瞰で見ると、誰のどんな思いであれ、どんな人生であれ、
人生は本当にあっけなく儚くすぎていくものですね。
気張らず気負わずいつ死んでもいいように、流れに身を任せて
日々生きている自分を信じ、できる限り浄化に努めたいとより強く思うようになった最近です。